中国古典 | 荀子
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荀子について
人間を外側から磨き上げる行動原則
外側を磨いてこそ内側も光る──「人の本性は悪」という原点を忘れるな

 荀子は、中国の思想のうえで、特異な位置を占める思想家です。
中国思想の正統は、孔子、孟子に始まる儒家思想(儒教)ですが、
彼らの主張をひと言で要約すれば、徳治主義ということになる。
 まず上に立つ為政者が徳を身につけ、それを国民に及ぼして感化していけば、 世の中は上手く治まるとする立場です。 その根拠にあったのは、性善説、つまり人間の本性は本来善であるという認識だった。

 ところが荀子は、孔子の教えを受け継いで儒家の立場に立ちながら、
荀子同時代の孟子と鋭く対立した。両者の分岐点になったのは、
孟子が性善説の立場を取ったのに対し、
荀子は性悪説の立場を打ち出した点です。
 彼はこう語っている。
人間の本性は悪である。善なる性質は後天的な修養の結果にすぎない。
人間には、生まれつき利益によって左右される一面がある。
この一面がそのまま成長していくと、
人に譲る気持ちを失い、争いごとが起こる。
 それを防ぐためには、当然。確固たる規範を作って人々を教え導かなければならない。 荀子は次のように主張する。
 「このように、本性や感情のままに行動すれば必ず争いごとが起こり、 秩序も道徳も破壊されて社会が混乱してしまう。そこでどうしても、
為政者と法による指導が必要になり、
礼と義による教化が必要になる。そうすれば、
自分を抑制して秩序や道徳を守るようになり、社会も安定していく」

 既に述べたように『孟子』は「仁」と「義」による感化を重視したが、
これはあくまでも人間の内面に関わるものであった。
ところが『荀子』の主張した「礼」と「義」は、
人間の内面と関わりのない外在的な規範なのです。
同じ儒家から出ながら、この一点で、両者は大きく道を異にしたのです。

 荀子の主張をまとめたのが、『荀子』という古典です。
その内容は、教育論から始まって、政治、経済、軍事、
はては文学や哲学の領域にまで及んでいる。
これほど広いジャンルにわたって論じている本は、同時代のものではほかに例を見ない。 なかでも彼が力をこめて説いたのが、社会の安定と秩序の確立であった。 その論調も、すこぶる理詰めで説得力がある。
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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