中国古典 | 韓非子
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韓非子について
部下をコントロールする最高のノウハウ
人に気づかれずに人を動かす『操縦術』──リーダー達の理論的支柱

 『韓非子』は、徹底した人間不信の哲学のうえに立って、リーダーのあり方を追求した本です。
 中国の古典は、程度の差はあっても、リーダー論を重要な柱にしているが、 それを人間不信の哲学のうえに立って構築しているところに、
『韓非子』の特異性があるといってよい。『韓非子』は、
人間は利益によって動く動物だと喝破した。 当然、
それぞれの立場によって、追求する利益も異なってくる。 だとすれば、
頭から相手を信頼してかかるのは、危険このうえもない事ではないか。
 こういう覚めた人間観のうえに立って、『韓非子』は独特の統治理論を展開する。 その中核をなしているのは、法、術、勢の三つの要件です。

 第一の「」とは、読んで字のごとく、法律のことです。
これは人民の従うべき唯一絶対の基準であり、
はっきりと明文化して人民に示しておかなければならない。
トップは、この法を周知徹底させて組織を掌握し、
自分はその上に立ち、黙って睨みをきかせていればよいのだという。

 第二の「」とは、
法を運用して部下をコントロールするためのノウハウのようなものです。
『韓非子』によれば、「術は人に見せるものではない。
君主が胸の中に収めておき、あれこれ見くらべて、
秘密のうちに部下を操縦するものである」という。

 第三の「」とは、権勢とか権限という意味です。
権力にはカナメの部分がある。
そういうカナメの部分を握っている状態が「勢」にほかならない。

 このように、法を貫徹して術を駆使し、勢を握って部下をコントロールするのが組織管理の要諦である。 と『韓非子』は主張した。
 『韓非子』の著者は韓非です。若い頃、荀子のもとに学んだ彼は、 諸家の学説を取り入れて独特の統治理論を完成した。その所説は、
やがて秦王政、のちの始皇帝の認めるところとなり、秦に招かれたが、
その才能をねたまれて非業の死を遂げた。
 だが、秦王政が全中国を統一したとき、天下統治の理論的支柱としたのは、この不運な思想家の所説であった。 また、のちの為政者たちがひそかに拠り所としたのも、この『韓非子』であったといわれる。
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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