中国古典 | 三国志
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三国志について
虚々実々の駆け引きを読む
偉人、聖人、悪人、凡人の交錯記録──人物を楽しみ、その策を学ぶ

 中国の歴史のなかで、日本の読者に一番なじみのあるのが、三国志の時代かもしれない。 周知のように、今から千八百年ほど前、
の三つの国が夫々の生き残りをかけてしのぎを削った時代です。
 期間からいえば、わずか数十年のことにすぎないが、
なにしろ動きの激しい時代であるから、それだけに興味もつきない。
そういう時代背景のなかで三国の興亡をまとめたのが『三国志』です。

 しかし、一口に『三国志』といっても、大きくわけて、
正史の『三国志』と小説の『三国志』との二つの系統がある。まず、
正史の『三国志』ですが、これは晋代の歴史家、陳寿ちんじゅのまとめたもので
『史記』『漢書』『後漢書』につぐ四番目の正史となっている。
その特徴は、三つの国を比較的公平に取り扱い、事実を淡々と記述している点にある。

 これに対し、明時代の羅貫中らかんちゅうの著した
『三国志演義』(演義とは物語とか小説といった意味)は、
一応、正史にのっとりながら 随所にフィクションを取り入れて、
話を面白くふくらましている点に特徴がある。

 では正史と小説の違いはどこにあるのか。
一番大きな違いは、小説のほうは善玉と悪玉をはっきり色分けして書いてあることです。 それだけに面白く読めるが、
これだけ読んでいると、事実と逸話を混同する恐れがある。 本当はどうなのか。事実を知ろうとするなら、正史にまで参入することが望まれる。

 いずれにしても『三国志』を読んでいると、知らず知らずのうちに
権謀術数とか政治の駆け引きに触れることができるので、
複雑な現代社会を生き残っていくための知恵を、
楽しみながら自然に身につけることができるであろう。
そいう実践的な読み方ができるところに、
『三国志』の魅力があるのかも知れない。
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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