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戦国策について
「説客」たちのこの練りに練られた知恵の数々
背水の陣で生きる者の心構え──現代に残る発想と論理の”傑作集”

 中国の歴史のうえで、
秦の始皇帝が天下を統一する迄のおよそ百八十年間を戦国時代という。
「戦国の七雄」と呼ばれた七つの雄国によって、
血みどろの争覇戦が展開された時代です。
 しかし、同じ戦国時代といっても日本のそれと違うのは、中国の場合、
武力抗争と同時に 活発な外交作戦が繰り広げられたことです。

 『孫子の兵法』は「戦わずして勝つ」ことを理想とみなしている。
だとすれば、どうしても外交交渉を重視せざるを得ない。 厳しい時代を生き残るためには、武力もさることながら、外交で優位に立つ必要がある。
こうして虚々実々の外交合戦が華やかに繰り広げられる事になった。

 当時繰り広げられた外交戦力を総称して「合従がっしょう連衡れんこう」という。
「合従」とは、台頭著しい西の強国・秦に対抗するために、東の六カ国がたてに合する戦略です。
 また「連衡」とは、よこに連なるという意味で、 他の六カ国がそれぞれに強国・秦の傘下に入って生き残りをはかる戦略です。
この二つの外交戦略を軸にして、中国の政局はめまぐるしく変転した。
 そういう外交を推進したのが、
「説客」とか「遊説の士」と呼ばれる人々です。
彼らは、それぞれに秘策を胸に抱いて各国の王に遊説し、
王の意向を体して政策の実現に当たった。 現代の企業社会でいえば、
経営コンサルタントの立場がこれに近いかもしれない。

 こういう「説客」たちの逸話を記録したのが、『戦国策』です。
なにしろ「説客」たちは、ほとんど裸一貫から身を起こしている。
彼らの武器といえば「舌先三寸」の弁舌だけであった。
遊説を成功させて世に出る為には弁舌に工夫をこらさなければならない。
『戦国策』には、彼らの苦心や手の内が余さず記録されている。
「説客」たちの繰り出す奇想天外な発想、意表をつく論理、
多彩なレトリック、 男の意気地、はったり、ほら話――
いずれをとっても、せせこましい現代を生きるわれわれにとっての、
一服の清涼剤となるであろう。『戦国策』は歴史の本というよりは
記録文学の傑作といってもよいかもしれない。
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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