中国古典 | 戦国策の名言
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 百里を行く者は九十を半ばとす

 百里の旅をする者は、九十里まで来た時点で、
旅程の半分に達したぐらいのつもりでいることが大事だ。

 政治にかぎらず、事業でも、人生でも、同じことがいえる。
大事業を行おうとする者は、
最後のツメをおろそかにしてはならない。

 麒麟も衰うるや、駑馬これに先だつ

 歳をとってしまえば、どんなすばらしい駿馬も並みの馬に劣る。

麒麟とは、一日に千里走るという駿馬しゅんめのこと。
駑馬というのは並みの馬。

老年には老年なりのよさがある。
それは十分に認められなければならない。
だが、組織の活力という観点から考えてみると、
お年寄りがいつまでも先頭に立っているのは、
マイナスの面も少なくはないのです。

 

 三人言いて虎を成す

「都に虎が出たと一人がいえば、笑い話ですむが、
三人が口を揃えれば、嘘の虎も真実となって人を噛み殺す。

 嘘も重なれば「誠」となる。
 げに人の口とは恐ろしいものです。

 

 士は己を知る者の為めに死し、女は己を説ぶ者の為めに容づくる

 男は自分の価値を認めてくれる者のためには命を投げ出す、
女は、自分を愛してくれる人のために容色をととのえる。

 相手のやる気を引き出すには、
まず、相手を認めてやることが前提となり、
それに見合った対応を施すことが大切。

 

 前事を忘れざるは、後事の師

 過去のことを肝に銘じておけば、現代を生き、
将来を展望するうえで大いに参考になるという意味です。

 日本には、「水に流す」という言葉があって、
それが一種の美風のようになっている。
しかし、大事なことまで忘れ去ったのでは、
同じ過ちを繰り返すことになりかねない。

 

 怨みは深浅を期せず、其れ心を傷うに於いてす

ささいな怨みでも、
相手の心を傷つければ、手ひどい報いを受ける、といった意味。

 こちらにその気がなくても、
たった一言で相手を傷つけ、生涯の敵をつくってしまうこともある。
だから人間関係は難しい、といえばそれまでだが――

 愚者は成事に闇く、智者は未萌に見る

 愚者は、物事が具体的な形になって現れてきているのに、
なかなかそれに気がつかない。
 智者は、まだ物事が形になって現れてくる前の段階(未萌)
のうちに、あらかじめこれからの動きを察知して、
適切な対策を立てる。

「智」は厳しい現実を生き抜くためには欠くことのできない条件ですが、
さらにその上に、「智」によって形成された判断を断固実行に移す
「勇」、すなわち決断力が求められるのです。

 寧ろ鶏口と為るるも、牛後と為るなかれ

 大国の尻尾にくっついていくような生き方は恥ずかしい、
小さくてもいいから大将になろうではないか。

 その意気はよし、といいたいところだが、
現代では一概にそうとはいいきれない面もある。
鶏口になる才気があって、そう生きようというのならそれもよし。

 その才覚がないと思うなら、やはり
組織のなかで責任をきちんと果たしていくのもまたよし。

 

 貧窮なれば則ち父母も子とせず

 貧乏だと両親までが知らぬ顔、出世すれば親戚までが恐れ入る。

「この世に生まれたからには、
地位や金銭もあだやおろそかにできないものだな」

 これが二千三百年も前に生きた蘇秦という男の感慨です。
現代の私どもの嘆きと共通するものがあるではないか。

 狡兎は三窟あり

 文字通り、賢い兎は穴を三つもっているというのです。
一つの穴がつぶされても、まだ二つ残っている。
二つつぶされても、まだ一つ残っている。
そうやって生き残りをはかるのが、賢い兎の生き方なのだという。
その点、馬鹿な兎は穴を一つしかもたないから、
それがつぶされたら一巻の終わりだ。

 財産管理でも、三分割法ということがよくいわれる。
資産を不動産、預金、株券などに分割してリスクを分散するのがだが、
これもこの狡兎三窟の発想です。

 誠に士を致さんと欲せば、先ず隗より始めよ

 本気で人材を招こうとするなら、
まず私、この隗からお始めください。
私のような者でも大切にされるとなれば、
私より優れた人物はなおさらのこと、
千里の道も遠しとせずやって参りましょう。

 「人材がいない」とぼやくトップは多い。
しかし、泣き言をいう前に、社内にいる
隠れた人材の発掘に力を入れることが先決なのです。

 大功を成すものは、衆に謀らず

 知恵のない者が、ワイワイ意見を出し合ったところで、
いつまでたっても結論が得られない。
大きな成功を勝ち取る者は、自分で決断を下すということです。

 混迷の時代を生き抜くためには、リーダーは孤独な決断を迫られる。
そのよしあしが最終的な成功に結びつくのです。

  兵は固より天下の狂器なり

 軍備は自分の身を守るためにはなくてはならないものです。
しかし、使いようによっては
敵をあやめるばかりか、自分まで傷つけてしまう。

つまり、軍備は必要だが、必要悪にもなりえる。

軍備は「両刃の剣」といえる。

 

 蛇足をなす者、終にその酒を亡えり

 楚の国で数名の者が大盃一杯の酒を賭けて、
地面に蛇の絵を早く描きあげる競争をした。
早くできた一人が得意になり、不必要な足まで描き加えたために、
酒をもらいそこなったという故事からの言葉。

余計なおせっかいをすると「碌なことがない」ということ。

  猿も木を錯てて水に拠らば、則ち魚龞に若かず

 猿も木からおりて水に入ると魚にはかなわない。

得手なことをさせないで
不得手なことをさせるのは愚人のやること。

 人間には、誰しも得手、不得手がある。
得意な事をさせれば本人もやる気になるし、
それだけ成果も上がる。逆に、
不得手なことをさせれば、
一生懸命やってもその割には成果は上がらない。
 
百里ひゃくりを行く者は九十きゅうじゅうなかばとす
麒麟きりんおとろうるや、駑馬どばこれにさきだつ
三人言さんにんいいてとら
士は己を知る者の為めに死し、女は己をよろこぶ者の為めにかたづくる
前事ぜんじを忘れざるは、後事こうじの師
うらみは深浅しんせんを期せず、其れ心をそこなうにいてす
愚者ぐしゃ成事せいじくらく、智者ちしゃ未萌みほうに見る
むし鶏口けいこうるるも、牛後ぎゅうごるなかれ
貧窮ひんきゅうなればすなわち父母も子とせず
狡兎こうと三窟さんくつあり
まことに士を致さんと欲せば、先ずかいより始めよ
大功たいこうを成すものは、衆にはからず
兵はもとより天下の狂器なり
蛇足だそくをなす者、ついにその酒をうしなえり
猿も木をてて水にらば、すなわ魚龞ぎょべつかず
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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