中国古典 | 孫子
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孫子について
戦わずにして勝つ──人生といういくさで負けない法
『絶対に負けない理論』を追求──最後に笑う真の勝利とは

 戦後の日本で、いちばん広く読まれてきた中国古典のひとつが、この『孫子』と呼ばれる兵法書かもしれない。
 二千五百年ほど前にまとめられた本が、なぜそれほど読まれのか。
やはり、そのなかで説かれている戦略・戦術が、いまでも有効性をもっているからでしょう。 只たんに戦のかけひきだけではなく、人生を生きていくうえでも参考になる点が少なくないのです。
 どうすれば戦に勝てるか、どうすれば負けない戦いができるか、
その理論を追求した本ですが、前提になっている考え方が二つあります。

 第一は、戦わずにして勝つ、ということです。
戦いに訴えて相手を屈服させるのは最低の策であって、
戦わずにして目的を達するのが理想の勝ち方だというのです。
 なぜなら、武器をとっての戦いともなれば、どんなに上手く戦っても味方に損害が出る。 下手をすれば国力の疲弊を招きかねない。そんな勝ち方は、 かりに勝ったとしても誉められた勝ち方ではないのだという。
 では、戦わずして勝つにはどんな方法が考えられるのか。
たとえば外交交渉です。
これで紛争を解決することができれば、あえて戦いに訴えなくてもこちらの目的達することができる。 こういう勝ち方が望ましいのだという。
『孫子』の考え方は政治優位の思想に立脚していると意味付けされる。

 第二の前提は、勝算なきは戦うなかれ、ということです。
つまり、戦いを始めるからには、
事前にこれなら勝てるという見通しをつけてからやれ、というのです。
 なんだ、当たり前の事ではないか、と仰る向きがあるかもしれない。
たしかに、当然といえば当然のことです。しかしわれわれ日本人は、
勝算も立たないのに、「それ行け、やれ行け」をやりがちです。
現代の企業戦略にもそのきらいがないでもない。
『孫子』は、そんなやり方を厳しく戒めているのです。

 この二つの前提のうえに立って戦略・戦術の理論を追求しているのが、『孫子』です。 その特徴をひと言でいえば、きわめて柔軟、かつ合理的な発想に貫かれていることです。 そういう意味でこの本は、
とくに現代の管理職にとっても必読の文献であるといってよい。
 ※守屋 洋著 中国古典「一日一話」より引用

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